2019/08/13 13:09


新作のCapsule Collection “ Danielle ”


パリジェンヌの友人ダニエラからインスピレーションをもらって出来上がりました。


今日はその友人、マダム・ダニエラのお話です。


イギリス人でありながらパリジェンヌのアイコンであり続けるジェーン・バーキン
イギリス時代にコンプレックスだったすきっ歯や小さな胸も、パリではチャーミングだとされ
大好きなチャームポイントに変わったという話は有名。
フレンチは
わたし達の価値観ならコンプレックスになりえることでも

『これが私の自然体で個性であり、私にしかない美しさ』

という独自の美の価値観をもっている。

そこに親近感もあり共感もしています。

フランスのシンプルなファッション、映画、アート、
アンティークのドレスやジュエリー、インテリアなんかは昔から大好きでしたが、
正直いうと、
特にフランスという国を大好きなわけでも、もちろん嫌いなわけでもないんだけど
なぜか訪れたいというほどの興味はなかったのです。

フランスはもちろん、ヨーロッパを訪れたことは一度もありません。
私の知っているフランス、特にパリジェンヌたちは、アジアを旅していた時に知り合った人たち。
そして
以前の仕事で約7年近く毎年数回はタイのチェンマイへ出張していたこともあり、
あまりの居心地のよさに、その後一時期移住していたこともありました。

チェンマイは日本人も多いですが、ヨーロピアンもたくさん住んでいる街です。

共通の友人がいたことや、滞在先が同じだったりなご縁で仲良くなった
パリ生まれパリ育ちの生粋のパリジェンヌ、
少女のようにチャーミングなマダム・ダニエラに出会いました。

ダニエラは当時70歳くらい。

彼女は一年のうち数か月は暖かいアジアへ、
あとはパリに帰ってという生活を送っていました。

一度も結婚はせず子どももつくらず、いつも新しい恋をしては失恋して、
シングルライフを謳歌している、“Theフレンチ”な彼女。

彼女とは数年に渡っての交友関係が続き、そのたびにいろんな話をしたな。

人生の大先輩でもある彼女のライフストーリーや、
地元であるパリの現状、街が移り変わっていくことへの想い。
日本の話。
パリジェンヌって本当にこんななの?というわたしの素朴な疑問とか。

でもほぼ彼女の恋バナトークなんだけどね(笑

ダニエラの定番ファッションは、デイタイムは同じ年齢の日本人では考えられない、
栗色のウェーブがかった自然体のロングヘアー(まさにパリジェンヌ!)に
膝上のヴィンテージ風のかわいいミニワンピースに白のスニーカー。
そしてチェンマイデザイナーのポップな柄のナップサックにお気に入りのサングラス。

それが彼女のキャラクターとぴったりで、不自然さがまったくないの。
むしろとても魅力的
ある夜、ディナーデートへ出かける彼女にエントランスでばったり会った。

デイタイムとはうってかわって、
リトルブラックドレスにメイクは素肌にマスカラと赤リップだけ。
ボストン眼鏡に
ゴールドのシンプルなフープピアス、
彼女の母から受け継いだアンティークの華奢なゴールドチェーンネックレス。

声をかけられるまでダニエラと気づかなかったぐらい!

デイタイムとナイトタイムのギャップに、
女の私でさえもなんて魅力的なんだろうと感動した。


ピュアな少女と成熟した大人。

どちらもダニエラというひとりの人間の人生や内面を見事に表現していた。

バッチリメイクも、隙のないファッションも美しいけれど、
ナチュラルな美しさを目の前にすると
作り込んだ美しさにはない、目が自然と惹きよせられる魅力に溢れている。

誰がなんと言おうと気にせず、自分はこれが好き、という芯や、
自分自身を受け入れ愛でる心があってはじめて
ファッションやジュエリーがその人の内面からでる魅力をより輝かせる

それは年齢をもチャームポイントにしてしまうのだと肌で実感した経験でした。

個人的な感覚だけど、
いま、日本でもオーガニックでナチュラルなものたちが生活に根付いてきたこともあるのかな
自然体で、それぞれの個性があって美しいなと思う女性をみかけることが増えているように感じウキウキします。

ファッションに限らず、
いろんな選択肢があって、それぞれが活きている人生を歩んでる。
そんな人たちは女性も男性も魅力的だよね。

恋のトキメキは、どんな高い美容液よりアンチエイジング効果があるわ。
そしてジュエリーも、顔周りを華やかにして、シワやシミが目立ちにくくなる効果バツグンの美容法よ

「一方通行だろうが、
一瞬すれ違って話もしたことがない相手だろうが、
生涯のパートナーだろうが、

いつもトキメキは身近に溢れている。

相手がいなくたって、自分自身に恋もできるわ!


今日もなんて美しいのって自分で自分を褒めるのよ
例え心からそう思えない日でもね。

いくつになってもトキメク心に正直に、めいっぱい楽しみ感じなさい。

人生は長く、そして短いのよ

ダニエラはいつも
あなたはまるで少年のような女の子ね、と言って笑っていた。

自分に似合う赤い口紅を見つけなさい。

口紅はトキメキを呼び、
相手の心に言葉なく伝えることもできる

何より自分を美しく魅せる魔法のアイテムよ! 」

ダニエラと最後に話したとき、
そう彼女は言って頬にキスをしてお別れをした。


今日も彼女は何処かで
赤い口紅を引いて、恋をしているんだろう。

いろんなパリジャンたちの生のライフストーリーをもっと感じたいなら
持っている方も多いと思うのだけど、
パリジェンヌのNEWアイコン Jeanne Damas のいろんなパリジャンたちにインタビューした書籍 “ In Paris ” がオススメです。
フランス語と英語訳版しかないのが残念ですが、
辞書片手に、もしくはパラパラっと雰囲気だけでも、
飾っておいてもステキです♡